2025/09/06-07 前穂高岳北尾根

2年前からの目標としていた前穂北尾根に山美さんと挑戦しました。山美さんは地震前に登攀経験あり。私は初挑戦となります。

 

2023年8月に2人で北穂東陵に登った時、次は前穂北尾根にという話になり去年も何度か計画したけど天気に恵まれなかったりでなかなか挑戦できないでいた。

今年は、計画した段階から行ける気がしていた。というか、今年こそはという思いが強かった。1週間前の天気予報では予定日の週末は台風直撃予報であったが、週が明けると台風はスピードを上げて予定日前に通り過ぎて行き、週末は晴れ予報になった。

1日目

金曜日の夜横浜を出発して、夜中の2時に沢渡の足湯公園駐車場に到着。仮眠してバスに乗りAM7時上高地に到着する。AM7:20上高地を出発。途中、熱中症対策として徳沢園のコーヒーソフトクリームで水分補給。

13:30本日のお宿、涸沢ヒュッテに到着。ひと月前、必死でリダイヤルし予約出来た部屋。割り当てられた部屋の名前は本館『北尾根』であった。この部屋は涸沢ヒュッテの部屋の中でもトイレが一番近い位置にあるのではないかと思う。贅沢だ。

到着してすぐに5・6のコルへのアプローチを偵察しに出発。左端草付きのきわにはケルンが沢山あり踏み跡もしっかりついている。とても分かりやすく、日の出前の暗闇でもケルンを辿れば不安なく進めそうである。偵察って本当に大事だと毎回思う。

小屋に戻り生ビールで乾杯。明日に向け英気を養う。その後カップワイン白(マグカップにアルパカなみなみ)を調子にのって2杯も飲んでしまう。しかも2杯目は中途半端に残った最後のワインをカップスレスレまで注いでいただいた。ありがたい。これで1500円。グラスワインが1500円というのは下界の安居酒屋価格である。なんで、ワインだけ下界価格なのだろうか。不思議すぎる。ワイン好きの山屋にはありがたい。値上がりしませんように。

テラスから望む前穂

2日目

AM3時出発。帰りのバスに間に合わないと大変と、早めに出発。

AM4:30、5・6のコルに到着すると晴天だけど爆風。寒くて雨具とダウンを着る。まだ暗いので少し明るくなるまでの時間にギア類を装着したり朝食を済ます。空がわずかに明るくなり始め5峰が少し見え出した5時過ぎに行動開始。

登り始めて気がつくと朝日が昇っていた。

5峰のピークから朝日に染まる4峰とその向こうに3峰のピークが見える

今回の核心の一つは、4峰のルーファイ。迷いやすいということで事前に色々と情報を確認して来たけど、実際は行ってみないとわからない。

4峰の3分の2あたりに来たところで行き詰まってると、後ろから来た2名のパーティーが先陣を切って涸沢側の巻道を見つけてくれた。おかげで左に降らずに進むことができた。

奥穂、前穂方面も美しい

4峰のピークに乗ったツッパリのリーゼントみたいな岩では、山美さんが左の岩下の際どいところをトラバースして先に抜けてくれた。抜けた後に無線機から左でも上から来ても大丈夫と通信してくれる。後ろで待っていたイタリア人パーティーに日本語で『こっちの左トラバースOK。こっちの上もOK OK』と手振り多めで伝えてみた。イタリア人は左のトラバースに行ったので私はリーゼントを乗っこした。多分、リーゼントは乗越の方が正解だと思う。

こうして4峰ピークを抜け、いよいよ3峰が見えて来た。

3峰取り付きに到着。前に3パーティー、後ろから1パーティー。

どうぞお先にと、我々は最後に出発。この後後続は来なかったので、3峰をマイペースで登れたのが本当にありがたかった。

1ピッチ目山美さんからスタート、その後ツルベで全部で5Pで登った。1、3、5がⅢ級、2、4はⅡ級。

2ピッチ目終了点から

3峰のピークにつく頃には、爆風がおさまると同時にあたりは真っ白。何も見えなくなってしまった。

2峰は歩き。油断せず慎重に進む。いつどこが崩れてもおかしくないので一手一手確認して進む。

2峰からの懸垂下降

10:40無事1峰の頂に到着。2年越しの目標達成に2人で歓喜する。

道具を片付けて下山へ。重太郎新道を降り上高地を目指す。これほんとに一般登山道ですか?と疑いたくなるような下山路。疲労でだるい脚に堪えるが、ここも油断せず慎重に降る。

16時上高地に到着。バスに間に合い一安心。

今回頂上で絶景を拝めなかったのはとっても残念だったけども、無事登ることができて本当に良かったです。山美さんありがとうございました!。