梅雨だというのにまるで雨が降る気配のない神奈川。
夏のクライミングシーズンを前にレスキュー&ロープワークのおさらいをしましょうということで鷹取でレスキュートレをやってきました。メンバーは K緑、S原、U田、私(U島)の4名。
一日って長いようで短く、たった4人でも基本から応用までやっていくと全然時間が足りない。決して早く呑みに行きたいから早めに切り上げたわけではない(笑
今回のレスキュー&ロープワークトレのレジュメは以下の通り。
- ATCの仮固定
- 荷重移動
- 自己脱出
- 介助(同時)懸垂
- 登攀中のセカンドへのアプローチ
- 登り返し
- 登攀中のリードへのアプローチ(時間切れで実施せず)
仮固定は色んな方法がありますが、自分が確実に理解して慣れている方法が一番。つまみ食いをするとろくなことがないので要注意。
荷重移動のポイント、フリクションコードには「HollowBlock 2」を使う、これが全て。ダイニーマやナイロンのスリングだと効いたり効かなかったり、あるいは効きすぎて動かなくなることがあるけども、HollowBlock 2はそういうこともなく非常に便利です。一人2本は持った方が良いように思います。あとは、マッシャーとクレムハイストの使い分け。絶対外れたら困るところはクレムハイスト、移動が頻繁に発生するような箇所にはマッシャー、というように使い分けが大事です。

自己脱出。ここで使ってるのはクレムハイスト、マリナーヒッチ
自己脱出は一般的にはビレイ状態(広義には懸垂下降中でのATCの解除も含む)を意味しますが、1. と 2. が分かっていれば難しいことはありません。

リードクライマーがアクシデントで登れない又は意識がない状態を想定
介助懸垂のキモ、それはATCの延長と、ATCの環付きカラビナと要救助者との距離。これがうまく行けば要救助者の体重をほぼ感じることなく下せます。頸部や頭部への受傷がなく意識がしっかりしている場合は120㎝スリングでチェストハーネスを作り要救助者が上体を起こせるようにします。(頸部や頭部の受傷の場合はむやみに動かさないこと。サムスプリントなどの副木があればカラーを作り安静にする)

長さの調整がうまくいけば体重差があってもそんなに辛くない。
5や7のセカンド・リードクライマーへのアプローチは手順が多いですが、それらを手順で覚えようとしないこと。〇〇をしないといけないからその為には□□が必要といったように目的をはっきりさせ、そのための手段を確実に実施できるようにすればそれほど難しい話ではないと思います。
登り返しは、懸垂下降中にロープの末端が次の支点まで届いていないことに気づいた場合や、下降支点に引っ掛かりロープが抜けない場合など、降りてきたロープを再度登る必要が出てきた場合に使います。全てを空中で試すには時間がなかったため地面から登り返し。これもフリクションコードの種類、セルフジャミングプーリーやアッセンダーの有無で効率が全く異なる。フリクションコード<アッセンダー<セルフジャミングプーリーの順で効率がいいと思います。
まとめとして今回のレスキュー&ロープワークトレで使ったロープワークです。
- エイトノット(ロープとハーネスの連結)
- インクノット(セルフビレイ、支点構築)
- オーバーハンドノット(ロープの連結)
- マリナーヒッチ(マリナーズヒッチ)(荷重を抜く場合のフリクションノットとの組み合わせで利用)
- ムンターヒッチ(ATC無い時の下降、ムンターマリナー用)
- マッシャー(フリクションノット、ノットを頻繁に移動する場合)
- クレムハイスト(フリクションノット、ノットを移動させない場合)
- ミュールノット(仮固定用のノット)
ロープワークではないですが、三角巾は持ち歩きましょう。それとパーティーに一つはサムスプリントを装備に入れましょう。
一日中鷹取の岩場で活動していたため、喉はカラカラ、トレーニングが終了し、追浜駅まで下りてから入った「祭どり」のビールが想像の10倍くらい馬買った、いや、美味かった。
文:U島