2025/6/7 谷川岳烏帽子沢奥壁南稜

前夜発日帰りで谷川岳南陵に挑戦してきました。メンバーはU島さんと私S原。

 

 

一般ゆる登山者だった私が、ひょんなきっかけで山岳会に入会してかれこれ丸6年。

3歩進んで2歩下がるを繰り返し、ちょっぴりずつでも成長していると信じたい今日この頃。そろそろ谷川ってところに行ってみても良いかな?大丈夫かな?と思いたち、U島先輩にお願いして初めての一ノ倉沢に。

前夜23時過ぎに谷川岳ロープウェイの駐車場に到着。閉まっていて入れないことがあるらしいが、今回は入場できて一安心。と同時に明日の飲料水を2人とも買い忘れたことに気がつき自販機を探して駐車場を徘徊。無事自販機を発見し一命を取り留めた。

一ノ倉沢は大人気エリアで明日も混雑が予想されるということで夜のうちに出合いまで歩きそこで仮眠(テント)することに。出合いに0時過ぎに到着。先行テントはひと張りのみ。明日は4時起き。それでもこのメンツだと入山祝いを欠かさないのであった。酒は買い忘れない。

4時起床のアラームと同時に下の駐車場から上がってきたと思われるクライマー方らの賑わしい音にびびる。一人や二人ではないかなりの人数の様子。動揺しつつテントから這い出てこちらも準備をして先行者の後を追う。

一ノ倉沢の雪渓はしっかり残っていて難なくテールリッジに取り付くことが出来た。

テールリッジから中央稜取付きを目指す。

アプローチなのに、本番さながら危険極まりない岩場の連続。数時間前に飲んだアルコールを燃料に頑張って進む。

 

近づいて見えてきた中央稜取付きや南稜テラスは既に多くのクライマーで賑わっている。南稜までのトラバースは落石に十分注意しながら進んだ。

8時過ぎに南稜テラスに到着し順番待ちの列に並ぶ。私たちの前に7組もいる。私たちの後からも続々と別のパーティーがやってきてテラスから溢れるほど。なんと賑やかなことでしょう。ここのところ悪天候が続いて久しぶりの晴れの週末となった為であろう。


9時過ぎ、ようやく順番が回ってきて登り始める。1P目の朝一リードは先輩にお願いする。その後はつるべで、私は2、4、6Pをリード。支点はそれほど多くないが手も足も豊富。時々動く不安定な石に注意しながらぐいぐい登った。

馬乗せリッジ上部は高度感があって登っていて気持ちが良かった。最後の7P目は南稜の核心ということでリードをさせてもらうか悩んだ。悩んだ時は無理はしない派。今回は先輩にお願いすることに。核心リードの挑戦は次の機会に持ち越しとさせていただく。

11時過ぎ、無事終了点に到着。ここから懸垂を繰り返して南稜テラスの右下まで一気に下降する。斜め右に懸垂をするのがすごく難しい。

重力で真下に引っ張られる体に抗いテラス下部を目指す。

テラス下部からは落石に注意しながら歩いて下降し、恐怖のテールリッジを慎重にくだり雪渓に戻る。朝と違い日中の暑さで表面が溶けた雪面は、チェーンスパイクが効かずズルズルと滑りなかなか苦労した。軽アイゼンの方が良かったかも。

14時半過ぎに出合到着。15:25発のバスを待つか、歩くか。少しだけ迷って選択したのはバス。

そして、やってきた最終バスはタイヤが10個もついた新型バス。なんと今日が運行初日とのこと。バスのおじさんも興奮気味でU島さんと駆動の車輪がどうのこうのと盛り上がっている。

こちらの観光バス、例年は5月から運行しているが、雪の多い今年は雪崩の影響で運行できていなかったそう。そして終バスの乗客は我々2名のみという貸切状態。観光協会の方々とともに乗車し、ガイドを聴きながら、清々しい緑の林道をゆったりと下るバスに揺られ、まるで最高のご褒美をいただいたような気分で一ノ倉沢を後にした。

谷川岳様、U島様、ありがとうございました。