8月20日〜22日の2泊3日で槍ヶ岳に登ってきた。
一昨年の西穂高からしばらく間が空いたが、高3の息子を連れて親子登山に行ってきた。高3といえば受験生、こんな時期に山になんか登ってていいのかと言われそうだが、たかだか2泊3日の行程で合格が不合格ってことはないのと、希望する進学先が山に関係あるのでちょうど良いだろう、ってことで。
今回は槍ヶ岳へ。一応これは本人の希望。恐らく家にある「山を渡る」って漫画から候補を探したようだ。まああの漫画に出てくる山の中だと槍ヶ岳はカッコいいから選択肢としては間違えてはいない。小屋泊、一般道とはいえ、かなりの距離を歩くので直前ではあるが、丹沢・塔ノ岳にテスト山行に連れていった。御多分に洩れずヘロヘロではあったが登り切ったのでまあなんとかなるだろう。
前夜自宅を出発し、新穂高の登山者駐車場で車中泊。今回はCX-5。二人だからジムニーの方が経費も安いのだが、ジムニー、いかんせん快適性度外視設計・・。一人なら車中泊もそこまで厳しくはないけども、アレで二人で車中泊をするのはオススメできない。まあ、3人で泊まったことありますが(汗
未成年なので入山祝いは出来ず、私だけハイボール。北アルプスの、下界に比べると幾分かひんやりした空気をツマミに一人で飲み就寝。
翌朝、6:30 に新穂高登山指導センターを出発。穂高平に7:40、チビ谷9:40、滝谷出合10:20、チビ谷を渡るところに今年の冬、涸沢岳西尾根で遭難したパーティの情報を求める看板があった。どうやらまだ見つかってないようだ、場所的にチビ谷に向かうとはいえ難しいだろうなぁ。槍平小屋12:10着。小屋泊のくせに遅い・・。
槍平小屋はこれまで冬期に避難小屋を使わせてもらったことはあったが夏シーズンの小屋泊は初。お盆も外したのもあるが、場所柄、とても静かだ。小屋食は夜はスープカレー、50近いおっさんとはすこし相性悪かった。今回、小屋泊だからと酒はボッカせず小屋を頼る。平地の3倍近くするビールとハイボール、酔いも3倍速かった。まあこれは単にペースの問題か。
翌朝は4:30起きで槍を目指す。千丈沢乗越8:35、槍ヶ岳9:55着。雲はあるもののほぼピーカンの天気。小屋は予約済みなのでまずは穂先を目指す。高校生とはいえ岩場経験は西穂くらいしかないのでハーネスとロープは持ってきたが本人に聞くと大丈夫、要らないという。大分逡巡したが、クライミングするわけではないのでフリーで穂先へ向かう。すると、、なんということでしょう!、林道と登山道ではヘロヘロだったのが岩場になったとたんに急に元気に!(笑
後からみる感じルーファイは怪しいが足運びは大丈夫そうだ。そうこうしているうちに10:58 穂先に到達。私にとっては見慣れた景色ではあるが、高校三年生の目にはどう映ったのだろうか。台湾からきてるパーティと知り合い、写真を撮って貰い撮ってあげた。30分ほど穂先で過ごした後、小屋に向かう。特に教えたわけではないが下りもビビることもなく下っていく。「岳」と「山を渡る」でだいぶコソ練してたのかもしれない。
肩の小屋は大学の登山サークルのパーティで大賑わいだった。あと、登山系ユーチューバーとやらも来てたらしい。私はまったく興味がないのだが、大学生と登山客が盛り上がってた。肩の小屋の夕食、シーズン過ぎたからなのかちょっと肩透かしを食らった気分。まあ贅沢は言えません。
最終日、この日は下山だけ。5:30時起床で小屋で朝食を食べ6:40出発。特筆すべき箇所はない下山、これが厳冬期ならまだ気負う所もあるのだろうけど、今は盛夏。ひたすら下るのみなり。行きは千丈沢乗越経由で来たので下りは飛騨乗越から飛騨沢で下る。槍平小屋 9:50、ここで大休止。高校生男子、腹が減ったのかカップラーメンを食す。例によって下りの写真はほどんと無いため、時間分からず。
右俣林道の終点近く、穂高平小屋あたりからポツポツと降りだし、最後はカッパ下山になった。右俣林道、冬は所々ショートカットがあるが夏は草木が生い茂り、分け入る気が起こらない。濡れた草を踏んで滑るのは目に見えてるので愚直に林道を進む。新穂高温泉下山14:40。
いつもの奥飛騨の湯に入る。ボウズ頭の私ですらシャンプー3回必要だった(笑
山行で減ったカロリー、いや今回は小屋泊なのでそこまで消費はしてないが下山後は旨いものを食え、という先達の教えに習い松本IC近くの「レストラン十字路」へ。そしたらなんと臨時休業。これは諏訪SAでラーメンか・・、と思いつつ車を走らせると十字路を出て直ぐ、それこそ500mもいかない場所に「レストランポム」の看板が。なんとも地雷臭いな〜、でもSAのラーメンよりましかと思い入ると見事に期待を裏切られ、めちゃくちゃ美味しい。下山後バイアスもあるので評価は各自の判断に判断に任せるが、少なくとも下山後に食べる夕食として及第点を出せる。特筆すべき点としては十字路よりメニューが少ないため、無駄に迷わなくて良い。
今回私が選んだのはオムライスとトンカツが同伴出勤、いや、トンカツのケツに敷かれたオムライスといった感じのオムトンライス 1480円(サラダ・味噌汁付き)。
近ごろではステーキこそ出るものの、生野菜に山中でありつけることはほぼほぼない。「甘さ」という陳腐なグルメ番組での頻出単語が口から出そうになる。ビタミン不足、いや単なる老化か、それはまるで生け花のオアシスかの如く疲労と日差しで乾ききった身体に染みわたった。サラダ、レタスマシマシで、というべきだったな(笑
そして山行全体の核心部ともいえる小仏トンネル、お盆も過ぎた平日ということもあり、それほど込まないだろうと油断していたらやはりそこは小仏トンネル、短いながらも渋滞に捕まる。
帰宅は23時となった。
今回の山行を総括して、、。歩く速度が違いすぎて疲れた、といってしまうと身も蓋もないが、普段の山行でも大人数となる場合はペースの調整が重要だなと思った。早い人が先に進み、遅い人を待つ、そして追い付いたら早い人が出発、とすると遅い人は延々と歩き続けることになってしまい疲労も不満も溜まる。バランスよくパーティの配置を考える必要があるし、場合によってはA班B班と分ける必要があるかもしれない。いずれにしても、自分の足下と進む先だけ見てればすべてOKというものではないってことだ。
親子登山に関して。我が家は誘えば(半ば強制的ではあるが)ついては来るが、年齢によっては反発されることもあるだろうし、今回は息子だったが、娘の場合はこれもまた難しい。父と娘、母と息子っていう組み合わせで登っている人もみると微笑ましいなと思う反面、親子であるが故に行き違いが発生するとずっと険悪な雰囲気の山行になりそうで怖い。
普通の家庭で子供からお父さん、槍ヶ岳に登りたいんだけど付いてきて!とか剱岳に行きたいと言われ、よし分かった行こう、と即答できるパターンは少ないだろうし、そういう意味では登山・クライミングやってて良かったなー(笑。ということで。
今回の山行が少しでも彼の人生の糧、あるいは肥やしになることを願って。