前日の一ノ倉南稜から本日は幽ノ沢。キリキリした登攀を期待しての山行。
メンバーは同じくM本、Y本。朝3時に起床し、幽ノ沢出合を目指す。本日も大変いい天気となりそうだ。
●アプローチ(4:50~7:00)
出合から進んで行くと左に曲がり、その先ではズタズタの雪渓。少し戻って展望台経由とする。ジメジメした急な斜面を上っていくと踏み跡がある。どうやら先行Pがいるようだ。さらに詰めてやっと上まで。右から声が聞こえてくるので行ってみると先行P5人と合流。V右とのこと。幸いここから見るとカールボーデンには全く雪がない。少し待って同じポイントから懸垂下降。二俣の雪渓は落ち着いている。ロープを畳んで右俣へ。所々雪渓が残っているが、そこまで危険ではない。さらに詰めていくとカールボーデンの広場。少し中央寄りに詰めていくとハッキリとトウフ岩への左上するラインが分かる。慎重にここを詰めるとトウフ岩右下のバンドに出て、ボロいハーケン2枚の狭いテラスに着く。
●登攀(7:30~14:50)
1ピッチ(30m)Ⅳ+
スタート。草付きの左側のフェースを草を掴みながらだましだまし。上部では岩に沿って少し左上し支点につく。途中にピンはなく、落ちたらちぎれる灌木で形ばかりの支点をとる。
2ピッチ(40m)Ⅲ
左上するスラブのバンドの明白なライン。進んで行くとボロいカンテにぶつかり、そこから少し上ったところある支点で切る。
3ピッチ(30m)Ⅳ
ここから左上に見えるボロいフェースが簡単そうに見えるが、支点から少し戻ったラインだろうとスタート。右上に見えるピンを目標に一段下がってから少し戻るように右上。そこから上は縦に走るラインをまっすぐ上っていくとテラス。支点は途中の腐りきったピンひとつ。落ちたらアウトだろう。
4ピッチ(20m)Ⅴ
正面ハングの切れ目を目指す。はじめのピンははるか上のリングボルト。テラス左から上がるがはじめもかなり悪い。右上にピンを追いながらトラバース気味に上がるとハングの切れ目。左の岩に足を上げて、右側の岩をプッシュ。右足を上げて何とか乗越すとすぐ左上に支点。
5ピッチ(40m)Ⅲ+
支点の右から上がるが一歩が難しい。その後ルートはハッキリしないが、左にトラバース気味に簡単なところを上がっていく。かなりのランナウトに耐え切れず、途中でハーケンを打とうとするが全くリスはなく、プレッシャーがすごい。フェースをかなり上がったところでやっと支点が出てきて一安心。さらに一段上がった広いテラスまで。
6ピッチ(50m)Ⅳ
下からは簡単に見えたフェース。前のスラブ状をまっすぐ上がるが、ところどころ岩や草付きで悪い。ロープいっぱいまで上がり、支点で切る。
7ピッチ(50m)Ⅳ
前のフェースを上部に見えるハング下まで。真下までは届かなかったが、特に明瞭な支点もなかった感じ。ここもところどころ悪い。
8ピッチ(30m)Ⅳ+
フェースを上がっていくと傾斜が出てくる。支点はあるが右側のカンテに移る手前が悪い。カンテに上がりまっすぐ進むと広いテラス。
9ピッチ(40m)Ⅳ
カンテを右側にまたいで簡単な岩からいやらしい草付きをあがり左上。
10ピッチ(30m)Ⅲ
まっすぐ上がると左にはブッシュ帯。灌木を支点にする。とりあえず、ロープはここまでは必要。
11ピッチ(20m)Ⅱ
ブッシュ帯を左から上がり中央壁の頭下まで。
12ピッチ(40m)Ⅱ
中央壁の頭を右から巻くように上がり、先の尾根の途中まで。
13ピッチ(40m)Ⅱ
最終ピッチ。前の斜面までロープを引きながら。
広い斜面を草付きと岩をつなげながら30分程度あがると尾根に出る。
・ガイド本にあるⅡ、Ⅲと考えると痛い目に会うかもしれません
・シーズン初めのルートとしては不適切
・もう一度行きたいとは思いません。。。
ピンが無い無いと聞きますが、本当に無いです。決して難しくはないかと思いますが、ルートを外すとハマる可能性大。勧められるルートではありません。(自己責任で)